お風呂の蛇口から水が止まらない！今すぐできる応急処置マニュアル

深夜、あるいは早朝。お風呂の蛇口をしっかり閉めたはずなのに、ポタポタ、チョロチョロ…と水が止まらない。そんな突然のトラブルに、誰しもパニックになってしまうものです。

「水道代が大変なことになる！」「下の階に水漏れしたらどうしよう…」

そんな不安で頭がいっぱいかもしれません。でも、大丈夫です。まずは深呼吸してください。

この記事では、水道修理の専門知識がない方でも、今すぐ一人でできるお風呂の蛇口の水漏れへの応急処置を、写真付きで分かりやすく解説します。

この記事を最後まで読めば、以下のすべてが解決します。

• 今すぐ水を止めるための具体的な応急処置
• なぜ水が止まらなくなったのか、原因の特定方法
• 自分で修理できるか、業者を呼ぶべきかの判断基準
• 自分でできる場合の具体的な修理手順
• 業者に頼む場合の費用相場と、信頼できる業者の選び方

まずは、被害を最小限に食い止めるための最初のステップから始めましょう。

まずはコレ！被害を食い止める応急処置【最優先】

水が流れ続けている状況では、原因を考えたり、修理方法を調べたりするのは後回しです。最優先は、とにかく水を止めること。 これから説明する手順を、今すぐ実行してください。難しいことはありませんので、落ち着いて行動しましょう。

ステップ1：蛇口の「止水栓」を閉める（場所と閉め方）

ほとんどのお風呂の蛇口には、その蛇口だけの水の流れを止められる「止水栓（しすいせん）」が付いています。

壁付きタイプの浴室蛇口と止水栓

壁付きタイプの蛇口の場合、蛇口本体が壁につながっている部分（クランクと呼ばれる脚部）に、マイナスの溝があるネジのようなものがあります。これが止水栓です。

1. マイナスドライバー（なければ硬貨などでも代用できる場合があります）を用意します。
2. 止水栓の溝に合わせて、時計回りに回らなくなるまでゆっくりと回します。
3. お湯と水、両方の止水栓があるので、2ヶ所とも閉めましょう。

台付きタイプの浴室蛇口

浴槽のフチなどに取り付けられている台付きタイプの場合、カウンターの下や点検口の中に止水栓があります。止水栓はハンドル式になっていて、手で回せるタイプが多いです。これも同様に時計回りに回して閉めてください。

【注意】長年動かしていない止水栓は固着していることがあります。無理に力を加えると破損する恐れがあるため、固くて回らない場合は次の「水道の元栓」を閉める方法を試してください。

ステップ2：止水栓がない・止まらない場合は「水道の元栓」を閉める

止水栓が見つからない、または止水栓を閉めても水が止まらない場合は、家全体の水道を止める「元栓（もとせん）」を閉めましょう。

• 戸建ての場合： 敷地内の地面にある「量水器」や「メーター」と書かれた青や黒の鉄製のフタを開けると、中に水道メーターと元栓（バルブやレバー）があります。
• マンション・アパートの場合： 玄関ドアの横にある、ガスや水道のメーターが入っている「パイプスペース（PS）」の扉の中にあります。

水道メーターボックス内の元栓バルブ

元栓のバルブやレバーを時計回りに回らなくなるまで閉めます。これで家全体の水が止まります。

【重要】元栓を閉めると、キッチンやトイレ、洗面所など、家中の水道がすべて使えなくなります。作業前にご家族に一声かけるようにしましょう。

賃貸物件の場合はまず管理会社・大家さんへ連絡を

もしあなたがお住まいなのが賃貸マンションやアパートの場合、応急処置で水を止めたら、すぐに管理会社や大家さんに連絡してください。

深夜や休日で連絡がつかない場合でも、留守番電話にメッセージを残すか、緊急連絡先が案内されていればそちらに連絡しましょう。

【注意】自己判断で水道業者を手配してはいけません。
経年劣化による故障の場合、修理費用は大家さん負担となるのが一般的です。しかし、先に自分で業者を呼んでしまうと、その費用を請求できない可能性があります。必ず、管理会社や大家さんの指示を仰いでください。

賃貸物件での水漏れ対応については、こちらの記事「ユニットバス水漏れ修理完全ガイド」でも詳しく解説しています。

水漏れを放置する3つのリスク｜水道代はいくらになる？

「ポタポタくらいなら大丈夫だろう」と水漏れを放置するのは非常に危険です。応急処置の重要性を理解するために、放置した場合に起こりうる3つの大きなリスクを知っておきましょう。

①水道代の高騰（ポタポタ漏れで月々いくら？）

ほんのわずかな水漏れでも、24時間365日続けば、水道代に大きく影響します。

※料金は東京都水道局の料金を参考に算出。自治体により異なります。

チョロチョロと漏れ続けるだけで、年間で数万円もの無駄な出費につながる可能性があるのです。

②建物への深刻なダメージ（カビ・腐食・シロアリ）

水漏れは、目に見える場所だけで起きているとは限りません。壁の内部や床下で水漏れが続くと、建物の構造自体に深刻なダメージを与えます。

• カビの発生： 湿った木材や壁紙はカビの温床となり、アレルギーなど健康被害の原因になります。
• 木材の腐食： 柱や土台が腐食し、家の耐久性が低下します。
• シロアリの発生： 湿った木材を好むシロアリを呼び寄せ、被害がさらに拡大します。

気づいたときには、大規模なリフォームが必要になるケースも少なくありません。

床下への水漏れが心配な方は「浴室床下水漏れ修理費用」の記事もご覧ください。

③階下への水漏れと高額な賠償責任

マンションやアパートにお住まいの場合、最も恐ろしいのが階下への水漏れです。下の階の天井や壁、家具、家電製品などを水浸しにしてしまうと、高額な損害賠償を請求される可能性があります。

実際に、階下の家財道具への賠償で数百万円の支払いが必要になったケースもあります。万が一に備えて、ご自身が加入している火災保険に「個人賠償責任保険」が付帯しているか確認しておきましょう。

なぜ水が止まらない？お風呂の蛇口の水漏れ原因を特定しよう

応急処置で水が止まり、少し落ち着いたら、なぜ水漏れが起きたのか原因を探ってみましょう。原因がわかれば、適切な対処法が見えてきます。

【原因1】パッキンなど内部部品の経年劣化

水漏れの最も一般的な原因は、蛇口内部にあるゴム製部品の劣化です。

• コマパッキン（ケレップ）： ツーハンドル混合栓で、水の流れを止めたり出したりする重要な部品。
• Uパッキン： 蛇口の根元（スパウト）からの水漏れを防ぐ部品。
• バルブカートリッジ： サーモスタット混合栓やシングルレバー混合栓で、温度や水量を調節する心臓部。

これらの部品の寿命は、一般的に約10年と言われています。長年の使用でゴムが硬くなったり、摩耗したりして隙間ができ、水漏れを引き起こすのです。

【原因2】ナットやネジの緩み

ハンドルの付け根や、壁との接続部分にあるナットが、毎日の使用による振動で少しずつ緩んでしまうことがあります。この場合は、部品の劣化ではなく、単純な緩みが原因で水漏れしている可能性があります。

【原因3】蛇口本体やシャワーホースの故障・亀裂

10年以上使用している古い蛇口の場合、金属疲労や内部の腐食によって、蛇口本体に目に見えない亀裂が入っていることがあります。また、シャワーホースが劣化して裂けたり、シャワーヘッドとの接続部から水漏れしたりするケースもよく見られます。

シャワーからの水漏れについては「シャワー根本の水漏れ対処法」で詳しく解説しています。

ご自宅の蛇口タイプは？修理の前に確認しよう

修理方法や交換する部品は、蛇口の種類によって異なります。ご自宅の蛇口がどのタイプか確認しておきましょう。

サーモスタット混合栓

サーモスタット混合栓の写真
左側に温度調節ハンドル、右側にシャワーとカラン（吐水口）を切り替えるレバーがあるタイプ。現在のお風呂で最も主流の蛇口です。

ツーハンドル混合栓

ツーハンドル混合栓の写真
お湯と水、2つのハンドルを回して温度と水量を調節するタイプ。少し前の住宅でよく見られます。

シングルレバー混合栓

シングルレバー混合栓の写真
1本のレバーハンドルを上下（水量）と左右（温度）に動かして操作するタイプ。デザイン性が高く、カウンターなどに設置される台付きタイプに多いです。

自分で修理できる？業者を呼ぶべき？判断基準を解説

原因がある程度わかったところで、次に悩むのは「自分で直せるのか、それともプロに頼むべきか」という点です。ここで判断を誤ると、かえって事態を悪化させてしまうこともあります。

【DIY可能】こんなケースは自分で修理に挑戦できるかも

以下の条件に当てはまる場合は、DIYでの修理に挑戦できる可能性があります。

• 原因が明確： 吐水口からポタポタ垂れる（パッキン劣化の可能性大）など、原因箇所がはっきりしている。
• 作業が比較的簡単： ナットの増し締めや、ツーハンドル混合栓のコマパッキン交換など。
• 必要な工具を持っている： モンキーレンチやドライバーなど、基本的な工具が揃っている。
• DIYの経験がある： これまでにも簡単な水道修理や家具の組み立てなどをしたことがある。

【業者推奨】こんな場合は迷わずプロに相談を

少しでも不安があったり、以下のような状況だったりする場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。

• 原因が特定できない： どこから漏れているのかはっきりしない。
• 壁の中や床下から音がする： 見えない場所で水漏れしている可能性がある。
• 蛇口本体が古い（10年以上）： 部品交換だけでは直らず、本体交換が必要な可能性が高い。
• 特殊な工具が必要： サーモスタット混合栓のカートリッジ交換など、専用工具が必要な場合がある。
• 作業に自信がない： 少しでも「難しそう」「失敗しそう」と感じる。

DIY修理のリスク｜失敗すると数十万円の損害につながることも

「修理代を節約したい」という気持ちで安易にDIYに挑戦するのは危険です。特に、固着した古い部品を無理やり回そうとして、壁の中の配管を折ってしまうケースは少なくありません。

そうなると、壁や床を壊して配管を修理する大掛かりな工事が必要になり、修理費用が20万円、30万円と高額になってしまうこともあります。目先の数千円を節約しようとして、結果的に大きな出費につながるリスクがあることを忘れないでください。

【蛇口タイプ別】自分でできる！お風呂の蛇口水漏れ修理ガイド

「自分で修理する」と決めた方のために、代表的な修理方法を解説します。作業前には必ず水道の元栓（または止水栓）を閉めたことを再確認してください。

修理を始める前の準備（必要な工具・部品の選び方）

【必要な工具リスト】

• モンキーレンチ
• プラスドライバー、マイナスドライバー
• プライヤー
• 古い歯ブラシ（掃除用）
• 雑巾

【部品の選び方】
交換部品を購入する前に、必ず蛇口のメーカー名（TOTO、LIXILなど）と型番を確認してください。 型番は蛇口本体の根元や裏側にシールで貼られていることが多いです。

蛇口の型番シールの写真

型番がわからない場合は、蛇口全体の写真と、取り外した古い部品をホームセンターに持参して、店員さんに相談するのが確実です。

サーモスタット混合栓の修理手順（パッキン・カートリッジ交換）

吐水口（カラン）の根元から水漏れしている場合は、Uパッキンの劣化が考えられます。

1. モンキーレンチで吐水口の根元にあるナットを反時計回りに回して緩めます。
2. 吐水口（スパウト）本体を引き抜きます。
3. 蛇口本体側に残っている古いUパッキンを2つ取り外します。
4. 溝を歯ブラシなどで綺麗に掃除します。
5. 新しいUパッキンを溝にはめ込み、吐水口を差し込みます。
6. ナットをしっかりと締めて完了です。

シャワーとカランの切り替えがうまくいかない、レバー付近から水が漏れる場合は、開閉バルブ（カートリッジ）の交換が必要です。作業が複雑になるため、自信がない場合は業者への依頼をおすすめします。

ツーハンドル混合栓の修理手順（コマパッキン交換）

吐水口からポタポタ水が垂れる場合、コマパッキン（ケレップ）の交換で直ることがほとんどです。

1. ハンドルの上部にあるカラーキャップ（お湯は赤、水は青）をマイナスドライバーなどでこじ開けて外します。
2. 中のネジをプラスドライバーで緩め、ハンドルを引き抜きます。
3. モンキーレンチで、その下にあるカバーナットを反時計回りに回して外します。
4. 中に見えるスピンドルという部品を、手で反時計回りに回して引き抜きます。
5. 一番奥にあるコマパッキンをピンセットなどで取り出し、新しいものと交換します。
6. 逆の手順で元に戻して完了です。

安心できるプロの選び方｜水道修理業者の費用相場と見極めポイント

「やっぱりプロに任せよう」と決めたものの、どの業者に頼めばよいか迷いますよね。ここでは、料金相場と失敗しない業者選びのポイントを解説します。

お風呂の蛇口修理、費用相場はどれくらい？

費用は作業内容によって大きく変わります。あくまで目安として参考にしてください。

料金は、一般的に「基本料金＋作業料金＋部品代＋出張費」で構成されます。深夜や早朝の作業は割増料金がかかることもあります。必ず作業前に、総額がいくらになるのか詳細な見積もりをもらいましょう。

悪徳業者に注意！失敗しない業者選び5つのチェックポイント

残念ながら、高額な請求をする悪徳業者も存在します。次のポイントを必ず確認してください。

1. 水道局指定業者であるか？
   自治体の水道局から認定を受けている業者は、一定の技術水準と信頼性があります。公式サイトなどで確認できます。
2. 作業前に詳細な見積もりを提示してくれるか？
   「やってみないとわからない」などと言って、料金を曖昧にする業者は危険です。必ず作業前に、内訳の書かれた書面での見積もりをもらいましょう。
3. 極端に安い広告に注意
   「水漏れ修理880円〜」などの広告は、あくまで最低料金です。出張費や諸経費が追加され、最終的に高額になるケースが多いので注意が必要です。
4. 口コミや施工実績が豊富か？
   公式サイトやGoogleマップなどで、実際に利用した人の口コミや、過去の施工事例を確認しましょう。
5. 保証やアフターサービスが充実しているか？
   修理後に万が一、再び水漏れした場合の保証制度があるか確認しておくと安心です。

【実績1,000件超】浴室専門チームが選ばれる理由

もし業者選びに迷ったときは、私たち「浴室専門チーム」にご相談ください。私たちは、浴室のトラブル解決に特化したプロフェッショナル集団です。

• 圧倒的な実績と信頼： 浴室のつまり・水漏れ修繕実績は1,000件以上。Googleクチコミではグループ全体で500件以上の満点評価、平均4.8の高評価をいただいています。
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• 安心の明朗会計： 経験豊富なスタッフが原因を的確に特定し、必ず作業前に詳細な見積もりをご提示します。見積もり以外に追加料金は一切かかりません。
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お風呂の蛇口トラブルでお困りの際は、確かな技術と安心の料金設定の「浴室専門チーム」にお任せください。

お風呂全体の水漏れトラブルについては総合ガイドもご覧ください。

もう繰り返さない！お風呂の蛇口トラブルを防ぐための予防策

無事に水漏れが解決したら、今後は同じトラブルを繰り返さないための対策も知っておきましょう。

蛇口の寿命は約10年！定期的な点検と交換を検討しよう

お風呂の蛇口の寿命は、一般的に約10年と言われています。10年を過ぎると、いつ内部部品が劣化して水漏れが起きてもおかしくありません。

大きなトラブルが発生する前に、10年を目安として専門家による点検を受けたり、蛇口本体の交換を検討したりすることをおすすめします。最近の蛇口は節水性能も向上しているため、水道代の節約にもつながります。

まとめ：お風呂の蛇口の水が止まらない時は、落ち着いて確実な対処を

お風呂の蛇口から水が止まらないという緊急事態に遭遇した際の対処法を解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

1. まずは応急処置！ 慌てずに「止水栓」または「水道の元栓」を閉めて、被害の拡大を防ぎましょう。
2. 原因を特定し、冷静に判断！ パッキンの劣化など、自分で対処できそうな簡単な原因か、プロに任せるべき複雑な問題かを見極めましょう。
3. 困ったときは無理せずプロに相談！ 少しでも不安があれば、迷わず信頼できる水道修理業者に連絡するのが、最も安全で確実な解決策です。

突然の水漏れは誰にでも起こりうるトラブルです。この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、適切な行動をとるための一助となれば幸いです。

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